再生紙に関する豆知識
わが国では平安時代には、すでに古紙の再生が行われていたようです。生漉き紙(きずきがみ)と漉き返し紙(すきかえしがみ)が区別して使われていました。生漉き紙は、わが国の特産であるみつまた、こうぞの木の皮を原料として漉いた紙です。そして漉き返し紙は、反古紙を水に浸して突き、煮て溶かして再び漉いた紙であり、墨が十分に除去されていなかったので、紙が淡墨色にムラを帯びていました。したがって薄墨紙、水雲紙と呼ばれていました。
その頃の紙は貴重品であったので、漉き返し紙は還魂紙(魂が還る紙)とも呼ばれて大切にされていたのでした。
現在、再生紙の明確な定義はなく、古紙の配合された紙力が再生紙と呼ばれています。今日の再生紙ブームが訪れるずっと以前から、実は日本の紙・板紙(ダンボール)の大半には古紙力が使われていたのです。
1980年には、1800万トンの紙・板紙が生産され、その原料に占める古紙の割合は42%でした。その後1989年には、紙・板紙(ダンボール)の生産は2700万トンに増え、原料に占める古紙の割合も50%にまで増えました(紙24%、板紙84%)。
板紙に比べて紙への古紙の配合が少ないのは、上質紙やコート紙のように、白さを必要とする紙に対しての配合が少ないためで、紙の中でもとくに白さを要求されない新聞用紙では、30~50%も古紙が配合されているのです。 「紙のお役立ち情報」トップへ