段ボールに関する豆知識
一般にいう『段ボール』とは、段ボールの箱のことを指す場合が多いようですが、本来の段ボールとは“箱”を作る板状の素材のことをいうのです。そしてこの段ボールとして最もよく使われているのは、1枚の波形を付けた紙(中しん)の表と裏に、紙(ライナ)を糊で接着した『両面段ボール』でしょう。
その作り方は、まずライナと中しんで『片面段ボール』を作ることから始まります。中しんは断面が細かい歯車状になって、互いに噛み合って回転する、長さ約2mほどの2本の“段ロール”の間に、中しん用の紙を送り込んで成形します。この段ロールは内部から蒸気で百数十℃に加熱されているため、布にアイロンを掛けるのと同じで、中しんにはきれいな“段の形”が付けられるのです。そしてこの段の頂きに、デンプンと水を混ぜた糊液を塗り、ライナを貼り付ければ『片面段ボール』ができ上がるのです。
この『片面段ボール』の、今度は反対側の段頂に、もう1枚ライナを貼り合わせて板状とすれば『両面段ボール』になり、さらに折り曲げ線を入れたり、一定長さ・幅に切断するなどの工程を経れば、箱の材料の段ボールはできるのです。この全加工には、全長約100mの「コルゲータ」という連続した装置が使われています。
段ボール箱には、型で打ち抜いた複雑な組立て箱もありますが、現在最も多く使われている箱は『A形』と呼ばれるもので、段ボールに印刷・折り線・溝などを付け、箱形にするための接合をした“折り畳み状態の箱”なのです。 「紙のお役立ち情報」トップへ